今回は、トリマーについてのお話をしたいと思います。
まずはトリマーという職業の歴史について。トリマーという職業は、16世紀頃のフランスで誕生したそうです。
その当時の貴族が飼っていたプードルなどの長毛種のワンコのファッション性を高めるために、トリマーの仕事が広がっていたようです。フランス貴族がプードルを飼っているというのは実にイメージ通りですね(笑)
日本でトリマーという仕事が生まれたのは、たった70年ほど前のことのようです。ヨーロッパに比べると滅茶苦茶歴史が浅いですね。
それまでももちろんワンコを番犬として飼っていることはありましたが、日本犬は短毛種が多いので、カットしたり美しく保つという意識は低かったようです。
戦後に海外から色々な犬種が輸入されたことにより、トリミングの需要が徐々に高まり、トリマーという職業が広がり、認知されていったのですね。
最近では「トリマー」という呼称でわかってくれる方がかなり増えているように感じますが、私が仕事をはじめた頃は(田舎の地域だということもあるかもしれませんが)トリマーで通じないことも多くありました。70年程度の歴史だとそれも納得ですね。
皆さんがイメージするトリマーとはどんな職業でしょうか?
すごくざっくりいうと、『ワンコ等のシャンプーやカットをする人、動物の床屋さん』というイメージの方が多いのではないかと思います。その通りではあるのですが、私が目指すトリマー像はワンコやその飼い主さんともう少し深く関わっていく職業です。
動物のプロフェッショナルである職業の中で、一番頻繁にワンコや飼い主さんとお会いする機会が多いのはトリマーだと思います。
だからこそただトリミングをするだけではなく、ワンコの健康に気を配る、しつけのアドバイス、食事のアドバイス、異常を見つけて場合によっては病院の受診を勧めるなどワンコに関わることをオールマイティにこなせる。それが私の目指す理想のトリマーです。第2の飼い主という気持ちで、ワンコと関わり合う、そんなイメージでしょうか。
そのためには飼い主さんとのコミュニケーションが大事になりますし、各種知識も必要になります。少しづつですが理想に近づいていけるように、日々精進している毎日です。
ただなんとなくトリミングをするのではなく、ワンコと飼い主さんの幸せを考えてトリミングができる。そんなトリマーさんが増えることが業界をよくすることになると思いますし、ワンコも飼い主さんも安心して預けられることにつながると思います。自分自身もそうなりたいし、そういうトリマーを育てていきたいですね。
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